家族から申告があれば、JRAはネット投票を禁止することが可能になりました。

JRAの取り組み

 

ギャンブル依存症に対する社会的関心はここ数年で急速に高まっています。
ギャンブル依存症と言うと、ここ数年はもっぱらカジノのことが話題になります。

 

しかし、依存症の人を減らしていくのであれば、カジノに限らず全てのギャンブル施行者が対策に取り組まなければなりません。

 

そこで今回は、具体的な対策の例としてJRAによるギャンブル依存症対策を紹介していきたいと思います。

 

家族からの申告でネット馬券の販売を禁止

東京競馬場

JRAはこれまでもギャンブル依存症への対策を行ってきましたが、本格的な対策が始まったのは2017年の12月からです。

 

具体的には、家族からの申告に基いてインターネットでの競馬の投票券販売を停止する制度を2017年の12月28日から導入しました。

 

この制度の対象になるのは依存症の診断を受けた人、またはその疑いがある人です。

 

当時は政府がカジノを中心とした統合型リゾート施設(IR)導入に備え対策強化を進める方針を発表した後で、JRAがこの方針を踏まえて具体的対策を講じた形になりました。

 

家族申告による公営ギャンブルへのアクセス制限は初めてのことで、JRAが他の施行者に先駆けて対策を行うことになりました。

 

尚、この制度は2018年の春に競輪、競艇、オートレースにも対象が拡大されています。

参考:公営ギャンブルにおける依存症対策

 

具体的なアクセス制限の申請方法

 

この制度についてもう少し詳しく説明します。
今回のアクセス制限の制度では、まず同居家族が申請書や診断書をJRAに対して提出します。

 

そしてJRAは申請書または診断書を審査し、申告された人物がギャンブル依存症であると判断できた場合に本人の同意・不同意に関係なく馬券のネット購入を禁止することができます。

 

また、今後はネット購入に止まらず、競馬場や場外馬券場での購入に際しても同種の制度を適用していく方針であると表明しています。

 

ある政府関係者によると、公営ギャンブル全体の売り上げは年間で約4兆5千億円に上り、その内の2兆円前後がネット購入によるものだそうです。

 

実際にギャンブル依存症に陥っている人がどれだけアクセス制限を受けるのか具体的には分かりませんが、この2兆円部分の一定の割合が減ることは間違いありません。

 

ちなみにパチンコ業界においても、JRAの取り組みに似た「家族申告プログラム」が運用されています。

 

ただ、この制度では本人の同意が無ければ申告が行えない仕組みになっていますので、実効性は決して高くありません。

 

政府の見解

国会議事堂

今回のJRAの対策に先立って政府は「ギャンブル等依存症対策推進基本計画」を閣議決定しました。
その中には以下のような文言があります。

 

「競技施行者・事業者において、契約自由の原則に基づき、利用させることが不適切と判断する者に対して、利用者本人の同意の有無に関わらず、サービス提供に係る契約を拒絶することは自由であり、家族から申告された情報を踏まえ、のめり込みによる被害から家族を守るためにサービスの提供を拒否することは社会的な要請に応えるものである。

 

これを見れば、JRAの対策が政府の「ギャンブル等依存症対策推進基本計画」に則って行われているということが分かります。

 

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